歯ぎしり・くいしばり
その歯の痛み、もしかしたら「歯ぎしり・くいしばり」かもしれません!
朝起きたとき、顎が疲れていたり、だるいときはありませんか?
それは、夜中の歯ぎしりや食いしばりが原因かもしれません。
ストレスが溜まりやすいと言われる現代社会において、
実はそのストレスによる歯ぎしり・食いしばりがお口の中の健康に影響していることがあります。
歯ぎしりや食いしばりは、無意識のうちに行ってしまうため、悪影響を及ぼす癖になってしまいます。
歯ぎしりや食いしばりをすると、咀嚼しているときの数倍もの力が歯や顎の骨にかかってしまうため、歯がすり減ったり、歯の表面のエナメル質に亀裂が入り知覚過敏になったり、顎関節に負担がかかってしまいます。
歯ぎしりや食いしばりをどのように改善していけば良いか、ご紹介していきたいと思います。
歯ぎしりとは、専門用語で「ブラキシズム」と言います。
口腔内の悪習慣である歯ぎしりは、歯と歯を強くすり合わせてしまう動作です。
また歯を強く噛み過ぎてしまう動作は食いしばりです。
まずは、ご自身のお口の状態が歯ぎしり・食いしばりになってしまっていないかをチェックしていく必要があります。
歯ぎしり・食いしばりは、必要以上に歯に負荷をかけてしまいます。
その結果、下記のような症状が出てしまうことがあります。
お口の中への影響
- ①歯が割れる(天然歯、かぶせ物)、歯の詰め物が外れやすい
- ②虫歯でもないのに歯が痛い(まるで虫歯が進行したように痛む)
- ③歯周病でもないのに歯がグラグラする
- ④寝ている間に頬の内側を咬んでしまう
- ⑤顎関節症
- ⑥慢性の肩こり、片頭痛
身体全身に関する影響
歯ぎしりや食いしばりが原因となって、頭痛や肩こり、耳鳴りが起こることがあります。
また症状がひどい方ですと、睡眠障害を引き起こしてしまったり、自律神経失調症を起こすこともあります。
そのほかにも睡眠時無呼吸症候群に影響すると言われています。
このように、歯ぎしりや食いしばりが及ぼす影響は意外にも多く、様々な症状を引き起こしてしまいます。
歯ぎしり・食いしばりの原因についてはまだ不明な点が多いですが、現在考えられているのは次の通りです。
- ・ストレス
- ・踏ん張ったりして力を入れた場合
- ・噛み合わせの異常
- ・永久歯と乳歯の混在時期(この時期の子供の歯ぎしりは問題ありません)
歯ぎしり・食いしばりを治す方法としては、やはり歯科医師の診断をしなくてはいけません。
当院では、マウスピースをおすすめしております。
マウスピースによってかみ合わせを調整する方法
患者様ご自身の歯の型を取り、お口にピッタリと合うマウスピースを使用していく流れとなります。
このマウスピースを使用することにより、歯やあごへの負荷を軽減することができ、歯ぎしりや食いしばりの抑制ができます。
マウスピースは柔らかいものと硬いものの2種類があります。
柔らかいタイプは、歯ぎしりが軽度~中度の方向けのものです。
特徴としては、柔らかさがあるため、装着したときの違和感が少ないということです。
デメリットとしては劣化がしやすく穴が開いてしまうことがあるということです。
もし穴が空いてしまった場合は、新しいものを作り変える必要があり、耐久期間としてはおおよそ半年~1年くらいとなっています。
一方、歯ぎしりが中度~重度の型には、硬いタイプのマウスピースがお勧めです。
ガチっとしているので、食いしばる力が強い方にもしっかりと対応できます。
その分装着した際に若干の違和感が出ることもあります。
マウスピース作製の流れ
- 1.上下の歯の型を取ります。
- 2.週間前後でマウスピースが出来上がり、口の中で微調整します。
- 3.使用中の不都合を調整します。
※歯は削りません。又、痛みもありません。
使用方法および注意点
- ・使用当初は数回の調整が必要な場合があります。
(初めの一週間は慣れない方がほとんどです。装着2、3日後にチェックの為必ず来院して下さい。
噛み合わせの調整にて常用できるように致します。) - ・清掃方法は簡単です。朝、お口から外されたら流水で唾液を洗い流してください。
- ・汚れが取れない場合は中性洗剤を使用して清掃してください。
- ・清掃後は水分をよく切って洗面台の上などに置いてください。
(入れ歯のように水中に保管する必要はありません。) - ・お渡しするケースは、マウスピースの携帯用です。
(ケースの中で長期間放置してしまうとカビがついたりすることが ありますのでご注意ください。) - ・長期の使用により、すり減ったり、穴があいたりしますが、支障はありません。
程度のひどい場合には補修調整いたしますので、ご連絡の上、当院までお持ちください。 - ・決められた定期検診の際には必ずお持ちください。
料金は保険で3000円~6000円程度で、作成までには1週間ほどかかります。
矯正治療によるかみ合わせで改善する方法
かみ合わせが良くないと歯ぎしり・食いしばりが起こります。
これに対して矯正治療によって、正常なかみ合わせ状態に整え、改善していく方法があります。
矯正治療は期間が長くなることがありますが、歯並び自体がきれいになりますので、見た目への影響も大きく改善されることとなります。
ご自宅でもできるセルフケア
日常的に生活をしていく中で、患者様ご自身で気を付けていただくことにより、歯ぎしり・食いしばりの改善をしていくこともできます。
例えばお口を閉じている状態のときに、グッと噛みしめないように意識していただくことです。
これだけで、歯やあごへの負担は軽減されて、歯ぎしりや食いしばりの対処策となるのです。
またしっかりと、マッサージをしていただくことも有効的です。
マッサージを施すとお口の周りの筋肉をほぐすことができます。
そうすると強い噛みしめによる負担を一時的に和らげることにつながります。
日常的に繰り返していくと、お口にかかる負担を抑えることができます。
当院では、治療をもとにした改善や、日常的なセルフケアによる改善についても、しっかりと患者様のお話を伺い、日常的な癖も見極めたうえでアドバイスさせていただきます。
歯ぎしりや食いしばりが気になっている方は、まずはお気軽にご相談ください。